上野方面から国道4号線(日光街道)をくだり、隅田川にかかる千住大橋を渡ると、かつて宿場町として賑わいをみせた千住の街並みが見えてきます。日光街道と隅田川が交差するこの地域には、古くから多くの人たちが往来し、幾多の文化と歴史を積みあげてきました。千住橋戸町はその名の通り、「千住の玄関口」にあたるところ。松尾芭蕉が「行く春や鳥啼魚(とりなきうお)の目は泪」の矢立て初めの句をのこし、この地から奥の細道へと旅立ったことでも知られています。また、「千住の魚河岸」として有名な東京都中央卸売市場「足立市場」の活気や、かつて「やっちゃ場」とよばれ隆盛をみせた大問屋街の面影もこの町で体感することができます。
そして、現在の千住橋戸町は「ポンテグランデTOKYO」と銘打った、京成線千住大橋駅を中心とした大規模再開発の中心区域にあり、東京のイーストエリアの未来を担う都市拠点として、大きな変貌を遂げようとしています。2014年4月には大型スーパーや家電量販店など44店舗が集う複合商業施設「ポンテポルタ千住」がオープン。隅田川に育まれてきた潤いと緑に象徴される、昔ながらの地域コミュニティと、新たな都市機能が心地よく共存する町として、未来へのまちづくりを進めています。